今回はUSPTOにより公開された、Appleが新たに取得した特許…
布製(織物)ヒンジ付きアイテム
ヒンジというのは例えると、ノートパソコンを開閉する部分(パーツ)にあたります。
これに関する特許がなぜ重要かというと、前回の記事で書いた「折りたたみ式iPhone」に繋がる技術にもなり得るからです。
本記事ではこちらの特許に関する情報について、お伝えしたいと思います!!
USPTOとは?
United States Patent and Trademark Officeの頭文字を取った略称です。
アメリカ合衆国政府の商務省に属する機関のひとつで、特許及び商標の権利付与を管理している機関。
日本では「米国特許商標庁」とも呼ばれている。
新特許【ファブリック(布製の織物)ヒンジ付きアイテム】
Appleが新たに取得した特許は「ファブリック(布製の織物)ヒンジ付きアイテム」という名称です。
どんな風に利用することを想定しているかというと…
- 取外し可能なデバイス
- ポータブル電子デバイス
これらのデバイスに「ファブリック素材で作られたヒンジを取り付ける」というアイデアです。
この仕組みがどのような技術(特許)なのかを知る前に、従来のヒンジの仕組みについて少しおさらいしましょう!
通常(これまで)のヒンジについて
主に、通常のヒンジ素材は「プラスチックや金属パーツ」を連動させて開閉させるという仕組みです。
例えば最近各メーカーが躍起になって開発している、折りたたみスマホの例でいくと…
こちらはiFixitが「Galaxy Fold」を分解した様子。ヒンジ(真ん中)は金属製である。
Photo | iFixit
恐らくAppleはこういった問題を解決すべく、今回のアイテムを発案したと思われます。
ではAppleの「特許内容」について詳しく見ていきましょう!!
「ファブリック製」のヒンジとは?
Appleの主張によると、一般的な金属製のヒンジは部品がかさばり、魅力的でない場合があると主張。
タブレットなどのデバイスのカバーは、柔らかな材料から作られた構造であり、それが「ファブリックヒンジ」の原型とも言えるとかもしれません。
また特許の概要にはこのような内容が書かれています。(出典:USPTO 一部を抜粋して引用)
カバーのにしたり、携帯型電子デバイスのためのハウジング部分を形成することもできる。または複数のディスプレイ、キーボード、タッチセンサー、他の電気部品などの電気部品を含み形成してもよい。
この「ファブリックヒンジ」を利用したカバー(ケース)を作ることも想定されています。
ではより具体的な情報を、公開された画像を使って見ていきましょう!!
概略図から「ファブリックヒンジ」使った製品を予想
Photo | USPTO
こちらは「ファブリックヒンジ」を備えた、具体的な概略図です。
この図の中で特に重要なポイントは…
「16」という数字が振られているところ → ファブリックヒンジ(詳細は後述)
12L(レフト)→
- F側(フロント)には、ディスプレイ、キーボード、トラックパッドなどの入力パーツが備わる。
- R側(リア)には、ハウジング構造(ガラス、ポリマー、金属などの材料を用いる)が備わり、これらは、12R(ライト)のR側(リア)に同じように取付ることも可能。
12R(ライト)→ F(フロント)には、ディスプレイ、キーボード、タッチパッドが備わる。
※画像の番号と照らしわせて書いてます。
つまりこういった機能を兼ね備えた、新しいデバイスが開発されるかもしれません。
具体的には、以下の製品に使うことが考えられます。
- MacBook
- Magic Keyboard
- Keyboard Folio
- 折りたたみ式iPhone(発売されるかは不明)
このような製品に利用されることが考えられます。
続いてはファブリックヒンジの詳細を見ていきましょう!
「ファブリックヒンジ」の仕組み【構造と素材】
そもそもの話として‥
ファブリックヒンジ
とは一体なんのか?
なのでここからは「ファブリックヒンジ」について‥
- 構造(どういった仕組みで動作するのか?)
- 素材(どのようにして作られるのか?)
このあたりに着目していきたいと思います。
「ファブリックヒンジ」の構造について【画像あり】



「ファブリックヒンジ」という聞き慣れない名前のおかげもあり、ちょっと難しく感じますが、仕組みとしては従来のヒンジ似ている感じはします。
そしてちょっと余談ですが…
この図の説明に重要な情報が書かれていました。
ラップトップコンピュータまたは折りたたみ式タブレットコンピュータ(または折りたたみ式電話)などの折りたたみ式ポータブル電子デバイスであり得る。
出典:USPTO
はっきりと「折りたたみ式電話」と書かれていますね。つまりAppleが…
ともとれる文章にも感じます!!
そしてこのファブリック素材が一体何なのかも気になりますよね?
更に詳しく見ていきましょう!
「ファブリックヒンジ」の素材について【画像あり】


一応ざっくりとお伝えすると、
ファブリックというのは、日本語では「織物」とも表現されます。
つまりこの画像からは通常のヒンジのように、
- 金属
- プラスチック
を成形して形作るのではなく、
ひも状の素材を、輪っか(おそらくは生地)に通して、しっかりと織り込まれながら作られる様子がわかります。
まとめ:ファブリックヒンジについて【今後の展望】
先日ジョン・プロッサー氏はコメントで、Appleの折りたたみ式iPhoneについて以下のコメントしました。
Apple’s “foldable” iPhone isn’t really a foldable. 🧐
The current prototype has two separate display panels on a hinge.
Round, stainless steel edges like current iPhone 11 design.
No notch — tiny forehead on outter display that houses Face ID.
— Jon Prosser (@jon_prosser) June 15, 2020
重要な部分のみ抜粋して訳すと…
Appleの「折りたたみ式」iPhoneは、実際には折りたたみ式ではない。
現在のプロトタイプでは、2つのディスプレイパネルがあり、ヒンジで繋がっている
というツイートをしました。
これに伴い、昨日の記事↓↓
Apple信者 今回は試作中と噂される、「新iPhone」の情報について 折りたたみ式のスマートフォンはいろんなメーカーから発売されていますが、Appleから同じような製品が発売されるという話は聞こえてき[…]
こちらではプロッサー氏のコメントと、過去(2017年)の「特許情報」を元に、折りたたみ式のiPhoneの発売の可能性について展望を書いてみました!
そして今回の「ファブリックヒンジ付きのアイテム」という特許の内容を見て感じたことは、
前回のアイデア(特許)をより「具現化した」ようにも思えます。
とはいえ、Appleは毎週のように特許申請を行っているので、そのアイデアが必ず実現されるとは限りません。
しかしこれまでの情報をまとめてみると、可能性はとしてはすごく高まって来たように感じます!!
みなさんどう思いますか?
といことで、今回は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!